
熊本県八代市出身。救急病院や熊本労災病院の循環器部門、クリニック看護師長などを経て起業。「一期一会訪問看護リハビリステーション」等を運営。専門性を活かした心不全ケアや独自の教育・就労環境を構築し、地域に根ざした質の高い在宅医療・介護を提供している。
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当会社では、在宅医療を支える「一期一会訪問看護リハビリステーション」とケアマネジャーが在籍する「一期一会居宅介護支援事業所」の2つの事業を展開しております。
訪問看護の業務としては朝出社後に看護師やリハビリスタッフがご利用者様の待つご自宅へ訪問に向かいます。高齢の方や慢性疾患をお持ちの方々に対し、主治医の指示に基づき点滴や服薬管理、日常の生活動作(ADL)の維持や入浴介助などを行います。1日の訪問件数を終えた後は事務所に戻るか直帰し、午後の訪問へ向かうという流れです。また、居宅介護支援事業所を併設することでケアプラン作成から実際の看護ケアまでを一本化し、ご利用者様やご家族が安心して相談できる体制を整えています。
私自身、長年救急病院や労災病院の循環器部門に勤務する中で心不全の患者様が入退院を繰り返して悪化していく「負のスパイラル」を何度も目の当たりにしてきました。月1回の通院だけでは受診の合間にご自宅で病状が悪化してしまうケースが非常に多いのです。塩分管理や適切な運動、日々の変化に気付ければ入院を防げたはずなのに病院に来た時には既に重症化していることも少なくありません。この状況を食い止めるにはご自宅での生活(在宅)に介入し、早期に変化を発見・予防する仕組みが必要だと痛感しました。
超高齢社会の現在、心不全患者が急増する「心不全パンデミック」が現実となっています。これまで培ってきた循環器の専門知識を在宅の現場で活かすことで心不全の悪化を防ぎ、患者様が住み慣れた自宅で安心して暮らせる社会を実現できると考え、開業を決意いたしました。
最大の強みは在宅でありながら病院レベルの専門的な病状評価・アセスメントができる点です。通常の訪問看護では経過観察にとどまりがちですが当社では超音波(エコー)検査装置や心電図、ドップラー血流計などのポータブル機器をご自宅に持ち込み、科学的根拠に基づいた心臓の評価を行っています。これにより病状悪化のサインを早い段階でキャッチすることが可能となります。また、スタッフの専門性の高さも自慢です。社内には「心不全療養指導士」や「血管診療技師」といった専門資格を保有するスタッフが多数在籍し、高いチーム力で疾患に向き合っています。さらにケアマネジャーと訪問看護師が同じ事業所内で密に連携をとれるため、ご利用者様の状態変化にも迅速に対応できる環境が整っています。
看護業界では人手不足が続いていますがおかげさまで当社には20代〜30代を中心とした若いスタッフが集まってくれています。その一番の理由は時代に合わせた「働きやすさ」と「安心の教育体制」にあります。現代の若手世代はプライベートの時間も大切にしています。当社では「直行直帰システム」を取り入れ、訪問の合間の空き時間を自分の時間として活用できる仕組みを作りました。また、在宅看護は「1人で訪問して判断する」というプレッシャーが大きく、ハードルが高く感じられがちです。そこで当社では、期間に縛られずスタッフが自信を持てるまで先輩が必ず同行指導する体制を整えています。さらに夜間の緊急訪問で迷った際にはいつでも私に直接相談できるフォロー体制を敷いています。「1人で抱え込ませない」安心感があるからこそ、若手が安心して挑戦できる職場になっています。













訪問看護事業は病院やケアマネジャー様からご依頼をいただいて初めて成り立ちます。しかし、実績のない開業当初は簡単に仕事をいただけるわけではありません。
そこで私は開業前から医師会の集まりや研修会に積極的に顔を出し、関係づくりに努めました。また、終活セミナーや地域の健康イベントにボランティア参加し無料で動脈硬化測定を行うなど「一期一会」という名前を地道に浸透させていきました。
何より自分の専門分野である循環器領域の強みを示し「在宅でもここまでしっかり心臓の評価ができる」という信頼を提示し続けたことが大きかったと感じています。そうした努力の積み重ねが現在の強固な医療連携ネットワークに繋がっています。
私たちの今後の目標は、八代地域における「在宅心不全管理センター」のような役割を担うモデルを確立することです。現在、整形外科や消化器科など他科のかかりつけ医にかかられている患者様の中にも心疾患や心不全のリスクを抱えている高齢者の方が数多くいらっしゃいます。ご自宅での心不全管理は専門外の先生方にとっても難しい領域です。そこで私たちが介入して専門的な評価を行い、循環器専門医のアドバイスを仰ぎながら、在宅での体調変化を早期にコントロールする仕組みを作りたいと考えています。
1事業所の力だけでは地域全体の心不全パンデミックを止めることはできません。だからこそ八代市で医療機関や他事業者と協力した「八代モデル」を作り上げ、全国へと広げていきたいのです。大好きな地元の皆様が住み慣れた地域でいつまでも安心して暮らせる街づくりを目指し、邁進してまいります。
やりたい思いや理想があっても、失敗を恐れて踏み出せずにいる人は多いはずです。しかし、勇気を出して垣根を飛び越え、思いを形にしていくプロセスこそが自分を大きく成長させます。挑戦の先にこそ広い世界が待っています。
自分の可能性を信じ、未来へ向けて一歩を踏み出してほしいと思います。