
医療法人全健会くまもと・TOKYO免疫統合医療クリニック理事長。消化器外科医として長年がん治療に携わる中、従来の治療の限界を痛感し免疫療法に着目。がん難民を救うべく独自の免疫統合医療を確立し、温熱療法や水素ガスを取り入れた治療を実践。全国の患者に希望を届けるため、治療の普及に尽力しています。
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がんを根本的に治癒に導くためには、「免疫の力」が必要不可欠だと考えています。早期のがんであれば手術で取り切ることで治るケースも多々あります。しかし、進行したがんの場合は、通常の抗がん剤や放射線治療だけでは本当の意味での根治は非常に難しいのが現状です。抗がん剤などでがん細胞を叩いたとしても、最終的に体内に残った微小ながん細胞を排除し、再発を防ぐのは私たち自身の体に備わっている免疫の力に他なりません。免疫が正常に働いていなければ、がんは完全に治らないということです。私は消化器外科医として長年がん治療に携わってきましたが、再発して亡くなっていく患者さんを数多く目の当たりにしてきました。その「治らない」という厳しい現実をなんとか打ち破りたいと強く思い、必死に勉強を重ねた末に行き着いたのが、この免疫療法という根本的なアプローチでした。人間の体に本来備わっている治癒力を最大限に引き出すことこそが、がん治療の要なのです。
私たちの体の中には、がん細胞を見つけて攻撃してくれる「T細胞」が存在します。しかし、がん細胞も生き残るために賢い戦略を持っています。攻撃にやってきたT細胞に対して特殊な分子を結合させ、T細胞の働きを強制的に止めてしまうのです。これが「免疫にブレーキがかかっている」状態です。2018年にノーベル賞を受賞された本庶佑先生は、この免疫のブレーキ役となるタンパク質を発見されました。どれだけT細胞ががんと戦おうとしても、ブレーキがかかったままでは太刀打ちできません。したがって、私たちが提供している治療の第一歩は、点滴などの手法を用いてこの「免疫のブレーキを外す」ことです。ブレーキを解除してT細胞を再び活性化させ、本来の攻撃力を取り戻させることが、がん細胞を消滅させるための最大の鍵となります。
免疫のブレーキを外すことと同様に重要なのが、「がん側のブレーキを外す」、すなわちがん細胞が好む体内環境を改善することです。そのために当クリニックでは、ハイパーサーミアと呼ばれる温熱療法や、水素ガス吸入などを治療に積極的に取り入れています。がん細胞は熱に弱く、正常な細胞よりも高温の環境に耐えられないという特性があります。温熱療法で体温を上げることで、がん細胞に直接ダメージを与えつつ、全身の血流を良くして免疫細胞ががんに到達しやすい環境を作ります。また、体内の悪玉活性酸素を除去するために水素ガスを活用し、細胞レベルでのストレスを軽減させています。単一の治療法に頼るのではなく、さまざまなアプローチを統合してがんの微小環境を多角的に改善していくのが「免疫統合医療」の特徴です。これらを組み合わせることで治療効果が飛躍的に高まります。
がんと闘うためには、患者さん自身の体という「土壌」を健康に保つことが非常に大切だからです。どんなに優れた種を蒔いても、畑の土壌が荒れていれば作物が育たないのと同じように、体質が乱れていれば、いくら高度な治療を施しても免疫細胞は十分に働くことができません。私はよく農作物に例えてお話しするのですが、がんになりにくい体を作るためには、日々の生活習慣の見直しが不可欠です。具体的には、バランスの取れた食事、適度な運動、そして質の高い十分な睡眠をとることです。これらはごく当たり前のことですが、現代社会においては疎かになりがちな要素でもあります。日々の生活習慣を整えて体質を改善することは、がんの再発を防ぐための最強の予防策になります。医療機関での治療と並行して、患者さんご自身にも主体的に生活を整えていただくことを強くお願いしています。











最大の原動力は、大きな病院で「もう治療法がありません」と見放されてしまった「がん難民」と呼ばれる方々を一人でも多く救いたいという強い思いです。現在、日本全国にはこうした状況に置かれたがん難民の方々が約60万人もいると言われています。標準治療が限界に達し、行き場を失って絶望の淵に立たされている患者さんたちの苦しみは計り知れません。私は外科医時代に治せなかった患者さんたちへの悔しさを胸に、そうした方々を受け入れ、再び生きる希望を見出してもらうための治療法を探求し続けてきました。実際に、免疫療法や温熱療法、水素ガスなどを組み合わせた治療によって、見放された状態から回復に向かった患者さんを数多く診てきました。本当に困っている方々に寄り添い、最善の治療法を提供し続けることが医師としての私の使命です。
私たちが実践している免疫統合医療を、日本全国のどこにいても受けられるような体制を構築することが今後の最大の目標です。現在、当クリニックと同じレベルの治療を提供できる医療機関は、私たちが連携・指導を行うことで全国に12箇所まで広がってきました。しかし、全国にいる60万人のがん難民の方々を救うためには、まだまだ拠点が足りません。将来的には、47都道府県のすべてにこの治療ができるクリニックを設置し、誰もが身近な地域で質の高い免疫療法を受けられるネットワークを作りたいと考えています。まずは日本国内での普及を最優先とし、いずれは海外で苦しんでいる患者さんたちにもこの医療を届けていきたいという夢も持っています。がんで苦しむすべての人に希望の光を届けるため、全国の医師たちと連携を深めながら挑戦を続けてまいります。
医療の原点は苦しんでいる人に寄り添い助けたいと強く願う心にあります。大きな病院で見放されたがん難民の方々に希望の光を届けることこそが真の医療の役割です。若い世代の皆様には、困難な現実から目を背けず、本当に困っている人を救い出す情熱と使命感を持って挑戦し続けてほしいと願っています。