FM791
長尾 信
阿蘇の交通を守る長尾自動車整備工場の挑戦
Makoto Nagao
合名会社 長尾自動車整備工場 | 代表社員

1972年生まれ、熊本県阿蘇市出身。平成3年に株式会社熊本日野自動車に入社後、平成13年に合名会社長尾自動車整備工場へ入社し、令和6年に代表社員に就任。祖母の死に際に寄り添うため帰郷し、弟たちの将来を想って家業を継承。軽自動車から重機まで手掛ける技術で、地域の交通インフラ維持に貢献している。

http://www.nagaojidousya.com/
MY STORY

阿蘇の交通インフラを支える確かな技術と対応力

Q長尾自動車整備工場の設立の背景と事業における強みについて教えてください。
A

当社は高度経済成長期、阿蘇地域での道路や河川工事等で使用されるトラックなどの整備需要が高まったことをきっかけに先代の長尾章が創業いたしました。事業内容としては車検や一般的な整備、車両販売を行っております。当社の強みは軽自動車や乗用車から大型トラック、タイヤショベルやラフタークレーンといった重機まで、あらゆる車両の整備・修理に対応できる点です。こうした田舎の地域において貨物車や特殊な重機まで修理できる工場は限られているため、自社の事業は地域の「交通インフラ」そのものだと考えております。動かなくなった車両があれば現場へ出向き、その場で応急処置を施して安全な場所まで動かせるようにする「車両の救急車」のような役割を果たせる点が大きな強みです。

Q多様な車両の整備を手掛ける中で事業として大切にしているこだわりは何ですか?
A

私たちが最も大切にしているのはお客様が次の車検や点検まで安心・安全に乗れる状態を提供することです。「安心・安全の提供」こそが事業の根幹であり一番の追求事項です。また、違法改造車以外の依頼であれば「仕事を断らない」という姿勢を貫いています。最新の車両はコンピューター化が進んでおり、必要な知識も変化していきますが、私たちは現場で学びながら常に技術をアップデートしています。時にはクレームをいただくこともありますが、それも貴重な学びの機会として受け止め、お互いに納得できる形で対応しております。若手社員の提案や新しい知見からも貪欲に学び続けることで、常にお客様のご期待に応えられる工場でありたいと考えております。

MY STORY

現場の学びが生む信頼と社員を想う経営哲学

Q創業から現在に至るまで整備の大切さを痛感した象徴的なエピソードはありますか?
A

昔、お客様から「走行中にエンジンが落ちた!」という驚きの電話が入ったことがあります。最初は「流石にそれはないだろう」と思いながら現場へ向かったのですが、本当に車両の後方道路にエンジンが落ちていました。今の車では滅多にない事態ですが、この出来事は定期点検がいかに重要であるかを物語る象徴的なエピソードです。自動車は便利な反面、整備を怠れば命に関わる重大な事故に直結します。しっかりと点検し必要な処置を施すことが命を守ることに繋がります。この教訓があるからこそ私たちは一つひとつの点検作業に一切の手抜きをせず、お客様の安心と安全を預かる責任感を胸に業務へ取り組んでいます。

Q長尾代表が家業へ入られたきっかけや現在注力されている社内環境づくりについてお聞かせください。
A

私が家業に入ったきっかけは祖母の死に際に寄り添いたかったことです。また、2人の弟たちにやりたい道を自由に選択してほしいという想いもありました。誰かが家業を継がなければ弟たちに負担がかかってしまうと考え「それなら長男である自分が継ごう」と決意して帰郷いたしました。代表社員に就任してからは社員一人ひとりが安心して働ける環境づくりに注力しています。特に若い世代にとって重要となる「十分な給与」と「しっかりとした休み」を確保することは経営者の責務です。仕事だけでなくプライベートの充実が社員のモチベーションを支え良い仕事に繋がります。若い社員の得意分野を尊重しながら、共に成長できる組織を目指しています。

MY STORY

阿蘇への感謝と地域と共に歩む将来の展望

Q熊本・阿蘇という地域を拠点に事業を行ってよかったと感じる出来事はありますか?
A

熊本県では地震や水害といった大変痛ましい出来事が続きました。しかしその後、復興に向けて阿蘇地域ではトンネルやダムの建設工事が行われました。当社もその現場へ出向き、普段は見ることができない特殊な機械や車両の点検・修理を担当させていただきました。復興の現場で働く工事関係者の方々と交流を持ち、共に地域を創り上げる中で生まれた繋がりは今でも当社の大きな財産となっております。また、熊本城を中心とした街並みや電車が走る風景など、魅力あふれるこの熊本の地で事業を営み、地域のお役に立てていることに強い感謝と喜びを感じています。

Q地域人口の減少が進む中で今後どのような目標や展望を掲げて会社を発展させていきたいですか?
A

阿蘇地域でも人口減少が深刻な課題となっています。しかし、人口が減るからこそ、大手企業では手が届かないニッチな困りごとや細やかなニーズが発生します。大手が得られない隙間を着実に埋め、地域住民に寄り添うことこそが自社の継続・成長のポイントです。今後は行政とも協力しながら、車を持たない高齢者の方々が気軽に買い物に出かけられるような移動支援の仕組みを作っていきたいです。そして、社員の子供たちが奨学金を負うことなく希望する進学を果たせるよう、十分な還元ができる会社にすることが目標です。私が70歳を迎える17年後までに次の世代へ最高の形でバトンタッチできるよう、着実に会社を発展させてまいります。

MY STORY

真偽を見極め自らの力で未来を拓こう

若い皆さんには溢れる情報の中から本物を見極める力を養い、自分の考えを持って挑戦してほしいです。不満を感じた時は立ち止まり、歴史や先人の歩みに想いを巡らせてください。社会を変える力は若い世代にあります。
つらい時も笑顔を忘れず、自分たちの手でより良い未来を切り拓いていってください。

← 一覧へ戻る